結びとどめよしたがひのつま
「嘆きわび空に乱るるわが魂(たま)を 結びとどめよしたがひのつま」
葵の上(実は六条御息所の生き霊)
源氏物語のクライマックスのシーンの
ひとつ
光源氏の正妻である 葵
幼いカップル同士で中々上手くいかない
現実として養子婿の源氏は
彼女に強くはでれない…。
その幼い源氏家庭教師のような未亡人
である六条の御息所 とのやり取りの中から様々を学んでいき男としての自信を
つけていく。
六条の御息所は先の皇太子の子を生みながらも夫は亡くなり政権争いから距離をおいた風流人であるサロンの女王。
若く帝のお気に入りでもある光源氏が
強引なやり方で彼女を巻き込んだのですが。
それから
(手にいれたはずのサロンの女王は日常にいると、口うるさい、先生みたいで
窮屈だと別の場所で幼女を囲っている光源氏)
自信がついたのか正妻である葵を妊娠させ仲が戻るかのように…。
そんな最中
葵祭で
正妻 と 愛人 との対決だと不粋で
思いやりない 正妻方の思惑に
自尊心を著しく傷付けられた 御息所は
彼女に取り憑き
上記の和歌をとなるのですけど…。
まず賢いのは光源氏は葵の部下の振る舞いを良くは思ってはいないこと
その上で御息所を案じていること。
おそろしく愚かなのは
全ては自分のしでかしたことの顛末にも関わらずに、六条の御息所の呪いのせいにし続けたこと。
愛 とは 自分の責任において
相手を重んじる気持ちのことだとしたら
ま、
そういう論議より『したがひのつま』である。
着物の部位である 褄 と
肉体を許した間柄である 妻 とを
かけてて
さらに 下前を 重ねる という
身体を許しあった二人である
情を解した二人である
いわゆる 『妻』
契りを交わしたもの同士は
下帯(下着)を交換しあったりと
まあまあ 身体をゆるしあう
ということの 貞節さ と 悦び
これ、貞節さというのは
自分の身体の安全を守っているという意味で、それだけでも 聡さや恥じらいや惑いがあり、美しさを感じさせますし、そこまで許し合うことの意味 と 責任を感じさせてくれます。
出産のために身体が変わった 妻
肉体関係の悦びを教えてくれた 妻
事件じたいは
様々なびっくり体験に
動揺し 罪悪感に苛まれた 光くんが
勝手に作り上げた
妄想 というのが正解なんでしょうね。
コロナ感染症に気をつけて。