浮舟
源氏物語 宇治十帖のヒロインの1人
少し身分が低く、後ろ盾となるべき人との縁も薄い
彼女の噂が
宮中の最高位に最も近い場所にいる貴公子 2人の耳にとまり
1人は 叶わない片恋の相手の面影を重ね
もう1人は そんな貴公子の行動と元よりのライバル心と好色心から
幼い 浮舟は 2人ともを受け入れることになってしまい
その苦しみに耐えかねるように 入水自殺をはかります
そのあとで 浮舟の付き人の女房は
どちらかを選び取るような 意思の強さがあれば と呟きますが…
源氏物語のヒロインたちは
皆 出家するんです
それはなぜか 今世では 女として生きるには 男性に頼らざるを得ないから
人身売買のように生きなければ 生すらも おぼつかない
しかしその中で 積み重なっていく 罪の意識
知りながら男たちに利用されるしかない生き方から逃れるため
世俗と縁を切るんですよね
自分の心の中までは 何人にも犯させはしまいとの思いに
先人の誇り高さを感じつつ
「二つ心のまま引き裂かれながら生きていく」
2人の貴公子に翻弄される運命に立ち向かった ヒロイン 浮舟 の 誠実さ と
自身の身の潔白の表し方であったように思っています